「教える技術」、第1回目のコラムです。テーマは、教える道具。
その道のプロだからと言って、教え上手とは限らない。名選手は必ずしも名監督ではないですよね。その理由の1つが教える道具の有無だと思うのです。
格闘技を教える・習うという例で私の体験をお話しましょう。
↓興味のある方は続きをどうぞ。 25年前に少林寺拳法を習ったり、後輩に教えていた時には、回し蹴りのフォームについては、かなり細かく指導され・指導した覚えがあります。ある意味当然ですね。
ところが3年前にキックボクシングジムに入って興味を持ったのは、先生たちがミドルキック(回し蹴り)のフォームについて、あまり細かく指導しないことです。強いて言うと「軸足を回す」という点は強調しています。
つまり、蹴った足がどのような軌跡をたどるのかという「フォーム」に関しては、あまりコメントしないのです。なのに、最初は下手くそなキックしか蹴れなかった人が、いつのまにかカッコ良いフォームで蹴れるようになるんです。
思い当たったのは「キックミット」という道具を使うかどうかの違いです。25年前に少林寺拳法を習っていた時は「空気を蹴る」形で練習していました。だから蹴りのフォームをきっちり教える必要があったのです。
ところがキックボクシングでは相手がもったキックミットを蹴ります。へなちょこな蹴りしか出せなければ、蹴った足には何の衝撃も来ません。でもたまたま良いフォームで蹴れたら、「ズバン」という音がすると同時に、蹴った足にも大きな衝撃が来ます。それを繰り返すうちに、初心者の人でも知らず知らずに良いフォームが身に付くというプロセスだと思いました。
皆さんが後輩や部下に何かを教える時、「キックミット」を事前に用意していますか?
自分は上級者である。自分がどうやっているかを後輩や部下に口で説明する。
ただそれだけでは「ティーチング・プロ」としては失格のような気がしませんか?
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