昨日は、ある会社でマーケティング研修の講師をしました。昼休みに時間が出来たので、会場の近くにあった図書館を散策。
そこで手に取った本の目次に「実験室の記憶」というエッセーを見つけました。一応僕も理系のはしくれ。20歳からの4年間(大学の専門と修士)は、実験漬けの日々をおくったのです。「そういえば実験室にはいろんな思い出があるよな~。」と思いながらエッセーを立ち読みしたのですが、なんと!
このエッセーは「実験室で起きたことを人間が覚えている」ではなく、「実験室で起きたことを実験室が覚えている」という事象についてのものだったのです!
雪の結晶過程を人工的に再現する際、一度出来た結晶は次に出来やすくなる。新しい実験手法に取り組む際、前に何度も取り組んだ人がいた実験室で習うと、全く初めての人でも素早く習得出来る。そんな不思議な体験のことです。
実はこのエッセー、怪しげな新興宗教の教祖が書いたものなんかではありません。著名な科学者の方の作品なのです。その名は中谷宇吉郎(1900-1962)。世界で初めて雪の結晶を人工的に作り出した北海道大学の先生です。石川県にある「雪の科学館」でも有名です。ちょっと調べてみたところ、このエッセーが書かれたのは昭和16年から20年にかけてのことのようです。僕たちが生まれるずっと前。
実はこれとよく似たコンセプトをシェルドレイクという人が「生命のニューサイエンス ―形態形成場と行動の進化」という本で発表しています。そのずっと前に、日本で同様のコンセプトが提唱されていたことを知って嬉しくなりました♪
このエッセーが掲載されている本は以下です。念のため。
『機械のある世界』〈筑摩書房 ちくま文学の森11〉
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