■「お得意様」「ファン」をつくる秘密とは?
「CRM」という言葉を耳にしたことがありますか?
「CRM」とは、「Customer Relation Management」の略称で、
簡単にいってしまえば、お客様との関係をつくり、
自社の「お得意様」や「ファン」になってもらうための
マーケティング活動のことを意味しています。
たとえば、商店街の小さな洋服屋さん。
よく買い物をしてくれるお客様の顔と名前、売った商品を覚えておいて
「○○さん、今日入荷したジャケット、きっとお似合いになりますよ」
とお客様の好みに合わせて商品をお勧めします。
すると、お客様は「このお店は、自分の好みをわかってくれている」と
ますますファンになってくれることでしょう。
これこそ、まさしくCRMなのです。
■"ANAマイレージクラブ"の緻密なマーケティング
お得意様、ファンをつくるCRMの考え方を
大規模かつ効果的に導入している例があります。
それは、「ANAのマイレージクラブ」。さて、どんな戦略なのでしょうか?
全日空の「ANAマイレージクラブ」では、
会員になると飛行機の利用以外にも色々な場面でマイルが貯まり、
マイルはさまざまな特典や電子マネー「Edy」などと交換することができます。
となれば、いったんマイルを貯めはじめたお客様は、
せっかく貯めたマイルを無駄にしたくありませんから
他社に"浮気"しにくくなってしまいますよね。
このように、「ANAマイレージクラブ」には、
お客様を囲い込んでいく上手な仕組みが用意されているのです。
■いよいよOne to Oneマーケティングに迫る!
しかし、「ANAマイレージクラブ」はこれだけではありません。
マイルをフックにして蓄積した顧客情報をもとに、ある取り組みをしているのです。
それがOne to Oneマーケティングなのです。
One to Oneマーケティングとは、
顧客一人一人を把握して個別にコミュニケーションを行い、
最適な(カスタマイズされた)商品・サービスを提供するという
マーケティング手法です。
たとえば、特典交換できるマイル数まで
あと1,000マイル以内になったお客様に対しては、
手軽にちょうど1,000マイルが貯まるキャンペーンをご案内します。
お客様からすれば「タイムリーに役立つ情報を教えてくれた」と喜ばれることでしょう。
そして、それは同時に販売促進にも大きくつながるのです。
■ロイヤルカスタマー(優良顧客)を育成しよう!
おわかりの通り、One to Oneマーケティングは、
CRMと非常に近い考え方を持っていて、
「リレーションシップマーケティング」と呼ばれることもあります。
「ANAマイレージクラブ」でご紹介したように、
One to Oneマーケティングは、お客様一人一人のニーズに応えながら、
ロイヤルカスタマー(優良顧客)へと育成することに優れたマーケティング戦略です。
ぜひ、今後のマーケティング戦略の参考にしてみてください。
参考資料
□「ケースで学ぶマーケティングの教科書」(岡本泰治・著/秀和システム・刊)

執筆者プロフィール
岡本 泰治 株式会社ディレクタス 代表取締役
京都大学文学部卒。株式会社リクルートを経て1993年株式会社ディレクタスを設立。Eメールマーケティングを核に数多くの企業のインターネット・ダイレクトマーケティングを総合的に支援している。著書に『ケースで学ぶマーケティングの教科書』がある。